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「うわっ!何これ、なんで?」
偶々足元に目をやって、驚いて立ち止まった。
少し前を行く間宮の足も止まり、こちらを振り返る。
「見てみて間宮!こんなとこに蟹がいる!」
掌にも満たないくらいの、小さな蟹が足元を横断しており、気づかなければ踏み潰してしまうところだった。
こんな山の中になんで蟹がいるのか。
不思議に思いしゃがみこむと蟹を挟んで向こう側に、間宮の靴が歩いてきた。
「沢蟹だな。近くに川があるんだろ」
「あ、だからか」
びっくりした。
蟹なんて、海の砂浜のイメージしかなかったから。
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