女の専売特許とは-2

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「うわっ!何これ、なんで?」 偶々足元に目をやって、驚いて立ち止まった。 少し前を行く間宮の足も止まり、こちらを振り返る。 「見てみて間宮!こんなとこに蟹がいる!」 掌にも満たないくらいの、小さな蟹が足元を横断しており、気づかなければ踏み潰してしまうところだった。 こんな山の中になんで蟹がいるのか。 不思議に思いしゃがみこむと蟹を挟んで向こう側に、間宮の靴が歩いてきた。 「沢蟹だな。近くに川があるんだろ」 「あ、だからか」 びっくりした。 蟹なんて、海の砂浜のイメージしかなかったから。
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