好きな女の好きなとこ。-2

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「………私、人付き合いがあまり上手くなくて」 私がそういうと、原口さんはますます変な顔をした。 「そう?いつもにこにこしてて、誰とでもうまくやってるようには見えてた。私はその笑顔が苦手だったけど」 「…はっきり言うよね」 「ほんとのことだし。今はそんなことないけどね。それで?」 ただ笑って人付き合いをやり過ごしても、友人なんてできるわけもなく。 中学、高校で友人作りをしくじった私には、おそらく人付き合いの経験値が決定的に足りない。 当たり障り無い挨拶と仕事の話しかしない私に、ずっと屈託ない笑顔で話しかけてくれたのが、相田先輩だった。 他の先輩方に良い様に使われていたのを、上手くなだめて取り持ってくれたのも。 そんな先輩の話し上手なところは私には足りないもので、他の人と話しているところも見ているだけで勉強になった。 「………先輩には、ずっと憧れてるの。今も」
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