1169人が本棚に入れています
本棚に追加
「………私、人付き合いがあまり上手くなくて」
私がそういうと、原口さんはますます変な顔をした。
「そう?いつもにこにこしてて、誰とでもうまくやってるようには見えてた。私はその笑顔が苦手だったけど」
「…はっきり言うよね」
「ほんとのことだし。今はそんなことないけどね。それで?」
ただ笑って人付き合いをやり過ごしても、友人なんてできるわけもなく。
中学、高校で友人作りをしくじった私には、おそらく人付き合いの経験値が決定的に足りない。
当たり障り無い挨拶と仕事の話しかしない私に、ずっと屈託ない笑顔で話しかけてくれたのが、相田先輩だった。
他の先輩方に良い様に使われていたのを、上手くなだめて取り持ってくれたのも。
そんな先輩の話し上手なところは私には足りないもので、他の人と話しているところも見ているだけで勉強になった。
「………先輩には、ずっと憧れてるの。今も」
最初のコメントを投稿しよう!