好きな女の好きなとこ。-2

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早く戻って、またお酌に回らなければと思っていたのだけど。 もう酒が回りすぎて、盛り上がってる場所は勝手にやってるし、お開きモードのところはそれぞれ部屋に帰り始めているらしい。 甘えるような仕草で、先輩が矢野さんの腕を引く。 眉尻を下げて、矢野さんが笑って頷く。 そうだ。 あの苦笑いは、先輩のもの。 「俺ら、ちょっと外の店見に行くよ」 旅館の正面玄関を出た大通りには、いくつも観光客の為の店が立ち並び、浴衣姿が幾人も通り過ぎるのがロビーからでも伺える。 ふと時計を見れば、時刻はまだ9時を少し過ぎたところだった。
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