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6時頃から宴会は始まっていたのだから、ちょうど良い頃合だったのかもしれない。
離れていく二人をソファに座ったまま見送ると、塞ぐように浴衣の生地が視界に入る。
亨が隣に座ったのだ。
「迫力負けしてやんの」
「何が」
「別に。キスしてあげようか」
「は?」
意味がわからん。
なんでそうなる。
第一。
「まだ、矢野さんたちロビーにいるじゃんか」
今キスしたら、玄関で靴に履き替える時に。
確実に見られる。
「だからいいんじゃねえの」
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