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「……元々、そんな言い訳するつもりないし」
「あ、やっと自覚したんだ」
原口さんが、横で「おっそーい」と言いながら、他人事だと思って呑気に笑う。
私はその場にしゃがみこんで、まだ熱い顔を膝の上に伏せた。
「……ちくしょー。悔しい」
「あはは。どう考えてもあっちのが経験値高そうだしね、翻弄されても仕方ないわ」
経験値もなんもかんも、亨のが上だろうし手のひらで転がされてる気がしないでもない。
もしかしたら、矢野さんにそんな態度を取ったのも、それが私に伝わる可能性を考えてのことかもしれない。
そう、疑っちゃうくらいに亨のことなんてこれっぽっちも信用してないのに。
なのに、なんでなんだろう。
怒ってくれたことが嬉しい。
私のために矢野さんに、相田先輩のことを抗議してくれたことが嬉しい。
私はそれほど詳しく、受付での今の現状を話したわけでもないのに、ちゃんとわかってくれてたことが嬉しい。
「……泣きそう」
矢野さんでも、誰でもない。
私は今、間宮亨に会いたい。
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