気づけば落ちているんだそうです。

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原口さんが誘導上手な部分も、ある。 結局洗いざらい暴露させられることになった私は、昼だけでは話しきれず仕事上がりに焼き鳥屋まで連行された。 「はー……まさか、偽装とは。まさかまさか」 何を感心してるんだか呆れてるんだか。 ネギ間串を頬張りながら、原口さんが眉根を寄せた。 私はビールジョッキを手に、白い泡を睨みつけている。 「間宮さんとか、そんな風に見えなかったけどなぁ」 「でも、亨は相田先輩が好きなのは確かよ。なのに、なんかキスばっかしたがるし。アノヒトほんと全然わかんない」 言ってた、よね?いや、言ったのは私だったかな。 でも、亨は否定しなかった。それは間違いない。 「いやいや。私にはあんたら二人共わからんわ」 「う……ですよね」 「だってさー」 「ちょ、危ないでしょ、やめてよ」 にゅっと目の前にネギ間串が突き出されて身体を引いた。 狭いカウンターにひしめき合うようなオヤジ臭い居酒屋だが、ざわついていてそれほど話を聞かれるような気もしないし、何より、焼き鳥が美味い。
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