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「好き、だけど、どうしたいとかは思ってない。矢野さんは先輩が好きなんだし」
「今回のこと、矢野さんにはどう伝わってるんだろうねー…」
「わかんない」
相田先輩は、みんなに優しくていつも笑顔で…それは私がそう思い込んだだけの、偶像に過ぎないことはさすがにもう理解はしてる。
矢野さんの目には、先輩はどう映っているんだろう。
「間宮さんはどう思ってるんだろうねぇ。あの人も随分屈折してそうだけど」
「しらんあんなやつ」
途端に私の唇はまたとんがって、それをまた面白可笑しく思われてるのはわかってるけど。
腹立つんだから仕方ない。
ぐっとひと息にジョッキを煽ってビールを空にした。
「酔っ払ったのいいことにホテルに連れ込むし。何か話ししててもいっつも適当に流されてる気がするし、何考えてんのかさっぱりわかんないし」
「ほうほう」
「ちょっとしたたかなくらいの方がいいって、多分相田先輩のことだと思うけど、その割に『春妃も好きなんだよなー』って。も!もって何!」
バンバンと思わずカウンターを叩いたら、隣のオヤジに若干引かれた。
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