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「大体ね!ほぼ毎週って言っていいくらい金曜には4人で会ってたのに、旅行後からぱったり無くなってるのに、何かあったのかとか思わないのかな?無いなら無いでどうでもいいって思ってるってことよね!」
「ほうほう。心配くらいしてくれてもいいのに、って拗ねてると」
「………」
原口さんは、意地悪だ。
なんだか、そんな権利ないでしょ、と言われた気分になって少し凹んだ。
いつのまにか追加オーダーしてくれていたらしい。
新しいジョッキが目の前に置かれて、両手で掴むと一気に指先が冷えた。
「付き合ってるわけじゃないしね、私の傲慢でした」
「あはは、すぐ拗ねる!そうじゃなくってさー」
笑われて原口さんに視線を戻すと、耳や頬がほんのり赤くなっていて、ほどよくアルコールが回り始めているのがわかる。
「私にはさっきから、倉本さんが『彼氏にかまってもらえなくて拗ねてる彼女』にしか見えないんだけど」
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