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元々俺は、ちょっと気が強いくらいの女の方が見てて面白いし好きだ。
素直なだけのふわふわした馬鹿そうなのはあんまりすきじゃない。
倉本春妃も最初はそんな印象だった。
生真面目でお堅そうなイメージはあったが、相田の言うのことなら素直に聞いて嬉しそうにくっついて回る。
一生懸命しっぽ振って、子犬みたいで。不憫なやつだなー、と思いながらいつも見てた。
相田はお前のこと寧ろ警戒してるから傍に置いてんだぞ、気づけよ。
お前に隠れて策略練って、着々と矢野さんに近づいてんだ。
お前も大好きな、矢野さんに。
見てたら、案の定。
すっかり出遅れて、相田の策略通り。
二人が付き合い始めたという報告を受けて、四人で飲みに行った日の夜。
ショックを受けてるはずなのに、悟られないように懸命に笑う忠犬ぶりには正直言うとイラついた。
―――頭悪い女。いつになったら気づくんだ、お前。
馬鹿としか思えなかった。
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