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慌てて寝たふりをしようと思ったが何か違和感があった。
よくよく考えると水を流した音がしていない。
こいつ、トイレも流さないのか。
さすがに佑志もこれには黙ってはいられなかった。
「おい、お前ちゃんと流したの?」
「流したらみんな起きちゃうやろ。明日の朝流せばええやろ。」
「いや、そーゆー問題じゃないだろ」
あまりにも馬鹿げた翔平の返答に、佑志はつい吹き出してしまった。
「なんやねん。」
暗闇の中だったが翔平も口元が緩んでいるのが見えた。
初めて見た。翔平が笑っているところを。
ずっとこんな感じだったら普通の奴なのに、と思いながら佑志は翔平に話しかけた。
「お前、ずっと起きてたの?」
「あんなはしゃがれて寝れるわけないやん。何がダウトやねん。」
「それは悪かった。みんな嘘つくのめっちゃうまいんだよ。あ、喜多川を除いてな。」
「あいつの笑い声ずっと聞こえとったわ。」
「だってあいつ自分が嘘つくときいちいち笑うんだもん」
「それやのにお前4回も負けたん。」
「いや、3回だし。ってゆーかお前めちゃめちゃ起きてんじゃん。」
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