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「お前ってさぁ、なんで右肩触られたらあんなでかい声で怒んだよ?」
すると翔平は突然起き上がった。
またあの時のように急にスイッチが入って襲ってくるんじゃないかと佑志は思った。
しかしそんなことは無く、なぜか翔平は上の服を脱ぎ始めた。
そして佑志に背中を向けた。
翔平の右肩には大きなあざがあった。
暗闇に目が慣れたせいなのかはっきりと見えた。
佑志は言葉を失った。
「俺さぁ、大工のバイト始めてさ、ふっとい木とか、鉄骨とか右肩に置いて仕事してるからこんなんなってまうねん」
と笑いながら翔平は話した。
「でも、なんでおま…」
「俺の家、お金稼ぐ人おらへんからさ、だから俺が働いてるってゆー感じ」
佑志の言葉を遮って翔平はそう答えた。
笑顔で。
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