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 あれから1年後、真美はすっかり変わってしまった。  真美が外から帰って来たのに気がついた母親が、リビングから出てきた。 「真美、あなたそんな格好でどこ行ってたの」  昔の真美は、少しでも家の外に出るときはキレイな格好をしていた。それを見て母親は部屋もキレイにしたらいいのにと思っていた。  しかし帰って来た真美は、化粧どころか穴の開いたTシャツでも平気で着るようになっていた。 「どこでもいいでしょ。たまに1人になるのに許可が要るの?」 「何言ってるの、あなた結婚もしないくせに仕事までやめてから、毎日1人で部屋に閉じこもっているじゃない。たまたま部屋の鍵が開いていたから中を覗いてもあなたはいないし。閉めっぱなしだったカーテンと窓も開けておいたわよ」  母親の話を聞いた真美の表情からはウンザリした表情が消え、持っていたレジ袋は床へと落ちた。そして真美の表情は鬼のような形相に変わった。目の前に立っていた母親を突き飛ばし、階段を駆け上がり、真美の部屋へと入っていった。  窓とカーテンを閉める音が聞こえたと思ったら、部屋から出てきて、また階段を下りてきた。  そして母親に対して罵声を浴びせた。 「ふざけんなよ、ユウジは眩しいのが苦手なんだよ、レイカだって体が弱いんだから風邪ひいたらどう責任とってくれるんだ! お前がそんなイヤガラセみたいなことするから、会社にも行けなくなって辞めたんだろーが!」  真美は怒りに任せて壁を殴りつけると、さっき床に落としたレトルトのお粥や果物、ヨーグルトが入ったレジ袋を持って部屋の中へと消えてしまった。
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