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でも、友達にそんな態度をとった人が、この先も同じように楽しく過ごせるわけは無かった。
「花ちゃん!昨日あの子の事嫌いって言ったって、本当?」
「え?」
翌朝、ちょっと遅めに学校に来てみれば女の子友達から突然そんな事を聞かれた。
あの子と言ってこっそり指をさしたのは、昨日私を呼び出した男の子だった。
よく見れば、クラスメートの多くは私に視線を向けていた。
「い、言ってないよ嫌いなんて!」
「じゃあ、昨日の放課後何してたの?」
私はそこで黙った。
言ったら他の噂が流れると思ってしまったから。
「…やっぱり、昨日2人で「違うってば!」
思わず否定した私の声は、クラス中に響いてしまった。
それで質問は止んだけど、友達の疑いの眼差しは消えなかった。
「…私、そんなひどい事言う人とは友達じゃ無いから」
「ぁ…」
その友達は私から視線を反らすと、一言つぶやいて自分の席に戻って言った。
一瞬何が起きたのか分からず、それを理解した時にはクラスからの視線も散っていた。
私も席に着いたけど、周囲からチラチラと視線を感じる気がする。
私がキョロキョロすれば、皆は前を向く。
私の席の周りには、HRが始まるまで誰も近づかなかった。
この時には、私の昨日の選択は間違いだったと分かっていた。
でも、男の子と仲良くも出来ないので、どうすればよかったのかは全く分からなかった。
だから、私は誰にも謝らず、誰にも相談できないまま、この一日を終えてしまった。
この日からしばらく、私には友達がいなくなった。
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