グロスの魔法

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「そうなんだよねー。でもよくメイクの話もするけど…あ、最近よくするかも。ホントにちょこっと手を入れるだけで、すごく雰囲気が変わるんだよね、ゆい先輩。うらやましい。」 「…ホント、うらやましい。」 「ね、これ見て。」 琴美が小さな丸いケースのオレンジ系のグロスを私に見せながらその蓋を開けた。 「これね、去年のクリスマスにゆい先輩がプレゼントしてくれたんだ。ゆい先輩はピンクでおそろいなの。」 「ふーん。」 私はもう半分ほどに減っているそのグロスを覗きこんだ。 「雪菜ちゃんもつけてみる?」 「え?」 「これさ、なーんか魔法みたいなもんでさ。つけるとゆい先輩みたいにキレイになっちゃった気がするの。」 「まっさかー?」 「つけてみなよ。」
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