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些細なことにいちいち心がため息をついていた。
私はそんなことが顔一面に表れてるなんて少しも考えていなかった。
室井さんは私の顔をさりげなく見た後に、優しく微笑んで言った。
「素敵なブラウスとスカートだね。」
「え?」
「白とブルーで、清潔感があって素敵。デザインも大人っぽいね。」
「…え、あ、ありがとう…ございます。」
私は思わず赤面していた。
憧れの…
あ、自分で憧れって認めちゃったけど、
憧れの室井さんからそう言ってもらえて…私ってば単純にすごく喜んじゃってる。
でも、それは、室井さんの言い方がそうさせるのかもしれない。
室井さんと私は10cm以上の身長差がある。
彼女は完全に私を見下ろしてるけど、
私のことを…
少しも…微塵も見下(ミクダ)してはいない。
だから私も素直になれた。
「…室井さんの方こそ、いつも素敵な服装で憧れちゃいます。」
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