年下の男

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心臓は跳ねている。 今にもシャツから飛び出しそうなほど。 でも…… 一瞬だけ見た彼女の顔は いつもよりも体温が上がっていることをうかがわせた。 俺はそのことがうれしくて仕方なかった。 緩んでいく口元を隠すために右手で口元を覆った。 そう…… ついさっき 室井さんの右手に触れたその手で。 俺は舞い上がっていた。 高嶺の花の室井さんと話せたどころか、二人きりであんなところに。 あんな風に会話をして、近くにいて…… 夢見たいだった。
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