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「軽そうには見えませんけど。」
俺はなぜか簡単には引き下がらなかった。
もしもこれが営業部で、目の前の女性が営業部の先輩なら迷わず言うだろう。
『当たり前でしょ。こういうのは新人君の仕事なんだから。』
そこまでリアルな想像をしておいて思い直す。
営業部なら……最初から女性が自分で持って行こうとすることもないか。
「じゃ、行くね。」
彼女は俺に何でもないように笑うと俺に背を向けた。
その瞬間、俺の中に何かが灯る。
年上の女性は簡単に年下男には甘えないのか……。
「俺が持ちます。」
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