年下の男

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俺はどこかムキになっていたのかもしれない。 彼女の持つ箱の上に自分の持っていた資料を乗せて、そのまま彼女から段ボールを奪った。 「こ、越石君!?」 「こういう時は男に頼った方がいいですよ。年下ですけどこれくらい出来ます。」 「年下とか…そういうの関係ないよ。ただ…自分で出来ることは自分でするだけ。」 真面目さが全面に出た彼女の返答。 俺は彼女をじっと見つめた。 俺も意地になってるから。 「……ごめんね。じゃあ、お願い。資料は私が持つよ。落とすといけないし。行こうか。」 結局、年上の彼女が折れたカタチか……。 これじゃ、逆に子供丸出しだ。 彼女は段ボール箱の上の資料を手にして事務所を先に出た。
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