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廊下を進みながら彼女が小さく笑った。
「何なんですか?」
俺は彼女には別に緊張なんてしない。
気になって聞いてみた。
「だって、越石君にも強引なところがあるんだなーと思って。」
俺はムッとして唇を尖らせた。
「それって、年下だからってバカにしてます?」
彼女は俺の言葉にキョトンとしていた。
「何で……そうなるの? 越石君て優しくて大人しいイメージだったから……ごめん。気を悪くしたら謝るけど……今まで接した越石君とは少し違ったから。……ごめんね。」
「……あ。いや……俺こそすみません。」
俺のつまらない思い込みで、そこからは会話も少ないまま書庫に着いてしまった。
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