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翌日。
昨日を引きずっていた私に、珍しく神様が味方をしてくれた。
朝一の出来事だった。
総務室にまた越石君がやって来たのだ。
彼を見た途端、私の胸の奥がキュウンと音でも立てたかのように縮まった。
少しだけ緊張して顔が強張る。
視線は落ち着きを無くして無意味にデスクの上を這った。
そんな私をよそに、越石君はまっすぐに私のデスクに来た。
「……おはようございます。」
「……おはようございます。」
思わず私も敬語で返してしまった。
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