笑顔

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その日、俺はその後の仕事中もあの事が気になっていた。 ……高遠さんのことだ。 彼女の書庫での 笑顔と拗ねた顔。 どちらも初めて見た彼女だった。 彼女が不機嫌になったのは、明らかに俺のせいだ。 理由はよくわからないが、とにかく俺のせいだ。 普段こんなことはあまり気にしないが、 相手があの高遠さんだと…… ……どうも気になる。 定時後にでも 行ってみるか…。 自分でも何でこんな風に思うのかはわからなかったけど、 このままじゃなんだかすっきりと晴れなくて 心の中が靄(モヤ)でいっぱいだった。
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