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「越石くんはさ…年下だから…とかこだわらない方がいいと思う。私は…背が低いとか…顔が童顔だとか…自分に引け目ばっかり感じてたから、変な背伸びもしちゃって…」
自分の滑稽な姿を思い出す。
そして、
あの最後の夜のことも。
「でも…最後の救いはね、その人が…素の私の部分、私の笑った顔がいいって言ってくれたこと。あの時は…もうその恋が終わる瞬間だったのに…うれしかった」
越石くんは黙って私の話を聞いていた。
…あ、また、私が話しちゃってる…。
「ごめん。また私の話だね」
そう言って笑う。
笑って……驚いた。
私…
越石くんといると何でも話しちゃう。
…話せちゃう。
失恋の話なんて
恥ずかしくて隠しておきたいことなのに。
誰にも言いたくなかったのに。
なのに、私は
心を開くように
彼にすべてを話していた。
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