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そんな私の態度に、驚いていたのは彼も同じ。
「高遠さんて、結構オープンなんですね」
「ち、ちがっ、違うよ!初めて話したの!」
「初めて?」
「…そう…初めて…」
「どうして僕に?」
「どうしてって…」
これは返事に困る。
私にだってわからないのだから。
私は首をかしげる。
演技ではなく、本当に感情がそうさせたのだ。
全く、自分でもわからなかった。
「…誰にも言えないこと…だったんだけどね。誰かに…聞いて欲しかったのかも。…ほら、今日はアルコールも入ってるし」
私が顔の前にグラスを持ち上げて言うと、彼はくすくすと笑った。
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