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「あ、年上をバカにしてるな?」
私はわざと眉間に皺を寄せて彼を見た。
「そんなことないですよ」
「嘘」
「嘘じゃないですよ。聞き役になれてうれしいです」
「うれしい?」
「はい。年上の女性にそういうこと打ち明けられるのって…そうそうないですから。ほら、年下って頼りないでしょ?」
「…そんなこと…」
「ないって言えないでしょ?」
越石くんはいたずらっぽく笑って顔を寄せてきた。
彼の顔が少し近い。
私は突然のことに一瞬背中をのけ反らせてほんのわずかに彼から距離をとった。
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