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その日の帰り道。
初夏の心地よい風が吹き抜けて、私の頬を撫でるのに、
私の心はどんよりとした霧が覆っていた。
一日の終わり。
越石君との会話。
……あんな風に終わりたくなかった。
そんな風に終わらせたのは私だけど…
それをものすごく後悔していた。
だけど私は丸めていた背中を勢いよく伸ばし、手を振って大股で歩き始めた。
だって…
そもそも、越石君が私のこと子供扱いするからいけないのよ!
私はあなたより年上なの!
生意気!
でも……
わざわざ…私のこと気にして…様子を見に来てくれたの…?
なんで…
なんでそんなことするのよ。
室井さんのこと……
……好きなんでしょ?
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