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「いいなあ。雪菜ちゃんは。…ゆい先輩も自炊ですよね? あ、でも雪菜ちゃんと違って手は抜かなそうですよね」
私たち二人の視線は室井さんに注がれる。
「そんなことないよ。遅い時は手抜き。…でも、野菜は採りたいからそれなりにはするけどね。でも…」
室井さんはそこで一層優しく微笑む。
「…誰かに食べてもらえるのって…うれしいよね」
その瞬間、私の頬が室井さんと一緒に赤く染まるのがわかった。
彼女の料理を嬉しそうに食べる部長の顔が見えた気がした。
それを幸せそうに見つめる室井さんの顔も。
本当に素敵だと思った。
年上の彼女を可愛いとさえ思った。
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