夏の入り口

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彼女なら、冗談交じりに『頑張って』って言ってくれると思っていた。 結果的には… 彼女は『頑張って』とは…言葉にはしなかったけれど、しっかりと俺の背中を押してくれた。 俺のことを年下扱いしながら、なんだか年上ぶって。 でも俺は、 彼女にそうされることだけは、少しも不快に思ったりなんてしていない。 ちっこい高遠さんがそんな風に大人ぶる素振りが妙に可愛い。 あ、いや、変な意味じゃなくて。 なんだか面白くって、もう少し見ていたくなる。 …マスコットみたいな感覚だろうか。 そう思うとまた笑いが込み上げてきて、 俺は気分がいいまま いつの間にか眠りに落ちていた。
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