夏の入り口

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そして、翌日。 プレゼン当日。 一番新しいシャツに袖を通して早目に出社した。 自分の気持ちがそう思わせるのか、どこかいつもと少し違う空気が漂っている気がした。 営業部のフロアでは早い時間にも関わらず既に多くの社員が出社しており、それなのにいつもよりずっと静かだった。 見えない緊張が部屋中に張りつめていた。 それを振り払おうとするかのような森田部長の威勢のいい声が響く。 おまけに親父ギャグ。 「全然面白くねえよ」 成瀬さんは森田部長を横目に見ながら、コーヒーを飲んでいた。 何か声を掛けたいと思ったが上手い言葉が浮かばず咄嗟にネクタイに目をやった。 「…今日のネクタイ、いいっすね」 「ばーか。取って付けたように言うんじゃねえよ」 成瀬さんはいつも通りに俺を軽く睨んだ。
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