夏の入り口

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すると、俺たちのやり取りを見ていた森田部長が口を挟む。 「…つうかさぁ、倒れこむならよぉ…俺のとこに来いよな。この広い胸によぉ。そしたら、胸を揉んでやる。」 俺は部長を刺すように睨みつけた。 彼女を支えたのが部長じゃなくてよかったと心底思った。 けれど、俺には、それ以上に気になっていることがあった。 俺はその射るような視線を… 森田部長からゆっくり成瀬さんに向けた。 「な、何なんだよ?」 俺の視線に気付いた成瀬さんが俺を睨み返す。 だけど、俺はいつもみたいには怯(ヒル)まない。 「…成瀬さん、満腹になったらいつもみたいに元気になるって、"いつも"って?」
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