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俺が独り言を呟きながら廊下に出ると、目の前に段ボール箱が浮いていた。
「うわっ」
それを避けようとすると、段ボールから顔がひょこっと覗く。
「越石くん、何してるの?」
俺はそれには答えず彼女の腕から段ボール箱を持ち上げ、そのまま総務室に入った。
「どこですか?」
「…ごめん。私の机の横に置いてくれる?」
俺は段ボール箱を下ろして彼女に言う。
「…こんな箱持ち出して、今日は残業ですか?」
「ううん。明日の朝一でやりたいから資料だけ運んで来たの」
「…今日はあがりですか?」
「うん」
彼女は返事をした後、顔色をパッと明るくした。
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