お目付け役

37/37
前へ
/37ページ
次へ
部屋の中には何とも居心地の悪い空気が漂う。 彼女から視線を逸らして目にしたホワイトボードは下手くそな文字でぎっしりと埋められていた。 吉野のやる気が伝わった。 俺はその文字をボード消しで力を込めて消した。 そして、それが終わると俺たちは同時に口を開いた。 「越石くん、私……」 「俺も行くから」 彼女の続きを聞く前に、俺は続けた。 「…お疲れ」 俺は彼女の顔をまともに見ることもせずに部屋を出た。
/37ページ

最初のコメントを投稿しよう!

269人が本棚に入れています
本棚に追加