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別に私は見たいわけじゃない。
否が応でも視界に入ってしまうのだ。
それは彼女も越石くんも承知しているはずだ。
私は目の行き場に困って持ってきたノートを開き、そこにどうでもいいようなメモをした。
けれど、視線は外せても耳の神経まではどうにもできない。
「高遠さんがいてくれたから、大丈夫だっただろ?彼女、頼りになるから」
越石くんが言った。
ノートを見つめる視線が落ち着きをなくした。
けれど、次の瞬間私は耳を疑った。
「……そうかな。彼女、いるだけだし、私たちのことほとんどほったらかしって感じだったよ」
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