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ノートに視線を下ろしたまま、今までの彼女の態度を思い出していると、前方から越石くんの声がする。
「彼女、そういう人じゃないよ」
ますます顔が……上げられなかった。
目頭が熱くなって、周りにはわからないように唇を固く結んだ。
「……全員揃ったので始めます。今まで業務の都合で任せっぱなしですみませんでした。今日は―――」
越石くんの挨拶でミーティングが始まった。
私はしばらくメモをとるフリをして顔を上げなかったので、越石くんの横で彼女がどんな顔をしていたのか…
…全く知らなかった。
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