もう一人の年下

11/19
前へ
/19ページ
次へ
「…どうって…」 私はまた小さく呟いた。 「…お昼…おごってもらうから」 何も思いつかなくて、引っ込みもつかない私は支離滅裂なことを口にする。 吉野くんは吹き出した。 「高遠さんて、マジでかわいいね」 「か、かわ、かわいい?ほら、またからかって…」 「からかってるつもりはないけど、それならそうでいいです。お昼…一緒に食べる約束みたいなもんでしょ?」 「や、約束!?」 声が裏返りそうになる。 「違うんですか?」 「だって…食堂に行く時間なんてバラバラだし…」 「俺、いつも早く行くんで食堂で高遠さんのこと見かけますよ?待ってるから大丈夫です」 彼は笑った。
/19ページ

最初のコメントを投稿しよう!

236人が本棚に入れています
本棚に追加