もう一人の年下

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「ま、待たなくていいよ」 「待ってます。今日はもう終わりでいいんですか?」 「…あ。…うん」 話を戻され、私も指導係に戻らなければならなかった。 「出来るだけ早く発注先確定して、西島部長にオッケーもらってから発注するつもり」 「また、俺にも声掛けてください。…越石は忙しそうだけど、俺、今は割と手が空いてますから」 「…うん。ありがと」 私は彼の目力に勝てずに、少しだけ視線をずらした。 「高遠さんはもう帰れるんですか?」 「うん…。そのファイル片付けてから」 「すごい数ですね。一緒に片付けましょうか?」 彼の突然の申し出に再び視線が逸れていく。
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