もう一人の年下

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私はかろうじて動いた足で彼から距離を取るように後ずさる。 「…お疲れさま。ありがとう。私、今から西島部長に報告に行くから。じゃあね」 「…わかりました。発注、手伝うんで連絡ください」 吉野くんは事務所を出て行った。 彼が出て行くと、私は自分の席に戻ってデスクに伏せた。 私の周りの年下くんたちは… なんだかとても…厄介だ。 吉野くんにはああ言ったものの、私は部長のところへは行かなかった。 明日、もう一度確認をして発注先を決めてからの方が効率がいい。 少しでも早くそれをするべきだとは思ったものの、 今日はなんだか調子が狂ってしまった。 「帰ろ…」 私は資料をまとめてデスクに仕舞い、隣の経理室に声を掛けて事務所を出た。
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