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私が少しの間無言だったので、部屋は静まり返った。
「隣…いいですか?」
吉野くんはそう言って沈黙を破り、私の隣の席からイスを引いて私の隣に移動した。
「…ここは一人2個の計算です」
吉野くんの手が横から伸びてきて、資料の上で数字を差した。
「…そうなんだ」
私が返事をすると吉野くんが資料から私に視線を移す。
「それから…」
そこまで言うと、吉野くんは再び資料に視線を戻した。
「…高遠さんは子供なんかじゃないです。いつだって、大人の対応で…自分とは全然違うな…って思います」
「…え?」
私は本気で驚いていた。
大人…?
「だから…高遠さんに年下扱いされると、なんか…距離を感じちゃって…俺の方が落ち込みます」
「…え?」
今度は驚いたのではなく…
その意味を瞬時に理解できなかったから。
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