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「どうして…落ち込むの?」
そう質問した私。
それを聞く吉野くん。
二人の距離は思った以上に近かった。
「…なんでって……」
その時だった。
「失礼します」
二人の間にハリのある声が響いた。
裂かれた空間の先には…
越石くんが立っていた。
「…越石くん」
私は反射的に椅子から半分立ち上がっていた。
彼が部屋に入ると、私は少しだけ浮いた身体を静かに下ろした。
「…今…吉野くんから聞いてたところ」
「すみません、俺が来なきゃいけないのに」
「…ううん」
私が首を振ると、隣の吉野君が言葉を繋いだ。
「あっちはもういいのかよ?」
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