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「あっちって、別に何もねえし。戸締りとか確認してきただけ。部署にも連絡入れたかったし」
吉野くんはそれには答えなかった。
「…っていうか、二人とも大丈夫?ごめん、無理言っちゃったからもうこんな時間だし、二人とも仕事はいいの?これ見たらだいたいわかるし、わからなかったらまた連絡するから、残業あるならもう戻って」
私が二人を交互に見ながら言うと、先に吉野くんがそれに答えた。
「俺はもうあがりっすから。てか、高遠さんこそこんな時間ですけど大丈夫ですか?」
「私は大丈夫。越石くんは?」
「俺は…もう少し…」
「あ、わ、じゃあもう行って。ごめん。後は吉野くんにもう少し聞いて終わりにするから」
「…そういうこと。早く行けよ」
「…ああ。悪い…」
越石くんは私と吉野くんを見て
最後に…少し目を伏せた。
「じゃあ…すみません。発注の時には手伝いますから」
「うん、お疲れさま」
私は笑顔をつくって彼を見送った。
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