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「ごめん、もう少しだけ」
私は吉野くんに謝りながら、少し読みにくい文字の確認を始めた。
発注の数量を出した根拠を聞きながら、吉野くんの文字の上に私もメモを残す。
「ねえ、これは少し多すぎない?だって、人数がこうでしょ…。一人…3個もいるかな…?」
私がメモをしながら用紙から吉野くんへと視線を移すと、至近距離で目が合った。
…と、いうより、
吉野くんは私を見ていたのかもしれない。
「ちょ、ちょっと。こんな近くでじっと見ないでよ。女は自分より若い男子にはあまり肌とか見られたくないの」
「…若いって…ほとんど歳、変わらないじゃないですか」
「…変わる。精神年齢とかよく言うけど、肌年齢とかもあるでしょ?そこは誤魔化せないの」
「誤魔化すも何も…高遠さん、肌もきれいじゃん」
私は思わず両手で顔を覆った。
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