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酔った勢い…
の、フリをして、俺は思い切って口を開いた。
「あの時の室井さん、綺麗だったなぁー」
「え?」
彼女がすぐ隣で、俺に顔を向ける。
少々顔が赤くなったって、今はどうにでも誤魔化せる。
「何か、いつもより色っぽくて。…初めて会った時より今の方がずっと綺麗です。どんどん綺麗になっていくみたいです」
「…そんなこと…ないですよ」
彼女がピーチティーのグラスを握りしめて顔を伏せる。
そういう仕草がたまらない。
彼女は顔を伏せたまま、少し落ち着かない様子だった。
落ち着かないのは俺も同じ。
心臓が激しく跳ねる。
でも…
今しかないと思った。
「…室井さん、付き合ってる人いるんですか?」
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