冷たくて熱い夏

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聞きたいのが半分。 聞きたくないのが半分。 だけど、もう、遅い。 聞いてしまったのだ。 俺が求める言葉は当然一つ。 その答えだけを待っていた。 驚いた顔で彼女は小さく声を洩らした。 俺からの、予想もしない言葉だったのだろう。 誤魔化される場合も十分にあり得ると思ったけれど、俺の視線に彼女は真剣に応えてくれた。 ただし… それは、 俺が求めてる答えではなかったけれど。 「…はい。います。お付き合いしてる……好きな人が。」 その言葉だけでも胸の奥に何かが沈んでいくのに、 彼女の揺るがない瞳が俺をもっと落ち込ませた。 きっと… その相手を心から想っているんだろう。 だけど、 俺はものわかりのいい男を演じるつもりはなかった。
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