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「…そうですか。…残念」
俺は表情を崩して笑って見せた。
だけど、すぐにその笑みの裏で決意を固める。
「…でも、先のことはわかりませんからね。結婚してるわけじゃないですし。それまでは、俺、諦めないでいます。1%の望みもないなんて言えないでしょ?」
自分の鼓動の大きさが指先まで伝わって、手にするグラスにまで響いていた。
ずるい言い方だってことは百も承知。
1パーセント。
それがどれだけわずかな可能性なのか。
だけど、どんなに相手を想っている女も男も、
99パーセントは信じていても
1パーセントは不安を抱く。
誰だって、
どんな人だってそうなんだ。
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