冷たくて熱い夏

13/27
前へ
/27ページ
次へ
俺の言葉に、彼女はそれを実感したはずだ。 1パーセントも可能性がないなんて…あるはずない。 そう思うはずだ。 俺は彼女に笑顔を向けたまま。 少し俯彼女の仕草が、答だと思ったからだ。 なのに 彼女はゆっくりと顔を上げ、俺の視線をしっかりと捉えて口を開く。 「…1%だって…ないですよ」 俺は目を見開き、小さく唇を開いた。 彼女の言葉が胸の奥に突き刺さる。 俺は無傷のフリして負けずに返した。 「…言いますね…。なんか悔しいな。…でも、男女の仲なんてどうなるかわからないですし」 俺がそう言うとタイミングよく他のメンバーに呼ばれ、彼女に無理やりに笑顔をつくってから輪の中へ紛れ込んだ。
/27ページ

最初のコメントを投稿しよう!

246人が本棚に入れています
本棚に追加