冷たくて熱い夏

16/27
前へ
/27ページ
次へ
彼女は成瀬さんの隣でなんの違和感もなく、みんなの輪の中に紛れていた。 そのことにもある意味驚きだったが、彼女は受付なので社員全員の顔を知っていて、他部署にだって友達は多いだろうと変に納得していた。 けれど、それ以上に驚いたのはその横の成瀬さんの表情だ。 口調はいつも通りに尖ってるけど… 表情はどこか柔らかい。 それに…俺はこんなにも話す成瀬さんを初めて見た。 酒が入っている席には何度か同席してるけど、いつだって無口で、あまりみんなの話題にも入ってこない。 その成瀬さんが… 二人を後ろから追う俺には 二人の醸し出す雰囲気に 憧れさえ抱きそうになっていた。
/27ページ

最初のコメントを投稿しよう!

246人が本棚に入れています
本棚に追加