冷たくて熱い夏

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目鼻立ちのハッキリしている彼女は室井さんとは違うタイプだが、やっぱり美人だ。 おまけに年上。 俺は反射的に体をのけ反らせた。 「何よ。そんなにビビることないでしょ」 彼女がふくれっ面をしてみせる。 俺は謝りながら舞い降りたチャンスに口を開いた。 「藤森さんて…成瀬さんと仲、いいんですね?」 すると彼女は慌てて顔の前で手を大袈裟に振る。 「な、何言ってんの!?仲なんて良くないよ。なんか、ちょっと…気が合うだけ…」 年上の女性のこうもわかりやすい態度を見ると、可愛いと思えてしまう。 「ちょっと、今、笑わなかった?」 「笑ってませんよ」 「イヤ、笑った。ちょっと私のことバカにしたでしょう?」 彼女が俺に詰め寄ると、そこに席を立った成瀬さんが割って入った。
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