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目鼻立ちのハッキリしている彼女は室井さんとは違うタイプだが、やっぱり美人だ。
おまけに年上。
俺は反射的に体をのけ反らせた。
「何よ。そんなにビビることないでしょ」
彼女がふくれっ面をしてみせる。
俺は謝りながら舞い降りたチャンスに口を開いた。
「藤森さんて…成瀬さんと仲、いいんですね?」
すると彼女は慌てて顔の前で手を大袈裟に振る。
「な、何言ってんの!?仲なんて良くないよ。なんか、ちょっと…気が合うだけ…」
年上の女性のこうもわかりやすい態度を見ると、可愛いと思えてしまう。
「ちょっと、今、笑わなかった?」
「笑ってませんよ」
「イヤ、笑った。ちょっと私のことバカにしたでしょう?」
彼女が俺に詰め寄ると、そこに席を立った成瀬さんが割って入った。
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