第2話 狐の嫁入り

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二日後の朝。 カメオが起きてくると、居間にサオリの姿が無かった。 テーブルに朝食の仕度をしてある。 アジの干物。(地元の特産) 納豆。 玉子焼き。 ほうれん草の胡麻和え。 ワカメと豆腐の味噌汁。 サオリが来てから中村家の食卓は絵に描いたようなメニューである。 「…サオリさんは?」 カメオがテーブルに着く。 「ああ。サオリさん。埼玉の実家だって。赤ん坊の顔を見せに里帰りなんでしょ?」 千鶴子が納豆をネバネバと掻き混ぜながら万亀男に訊ねる。 「実家のご両親、長崎から帰って、まだ一度もマー坊に逢ってないもんなぁ」 万亀男は味噌汁をズズッと飲み、 「ハア~…」 と満足げに息を吐く。 「……!」 ハタと気付き、 カメオは居間のテーブルの上に置きっぱなしのケータイを手に取った。 (あっ。アヤさんからメール、来てる…) カメオの知らない間にアヤからのメールの着信があった。 すでに開かれた表示である。 パチンッとケータイを閉じ、 (…サオリさん…?) 嫌な予感にカメオは顔をしかめた。
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