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「まぁ見て、
あんなのを連れているなんて・・・・」
「止めなさいよ、
あんな未完成なモノを連れてる神に
見られてしまうわ」
心のない言葉を
簡単に浴びせせら笑う中で下を向いた
仔に連れて歩く神は声を掛けた。
「あんなの云いたい輩には云わせておけば良いよ。
君は他の動物とは違うんだから」
「それならどうしてボクを選んだんですか?」
泣きながら問い掛けた仔を抱き上げ神は微笑み答えます。
「だって他の動物たちは君みたいに抱いて歩けないだろ?
そんなのは哀しいことだよ」
「かなしい?」
コクンと小首を傾げる仔と額を併せ神は答えます。
「哀しいよ?
私ら神だって万能じゃないんだからね。
愛しいなら尚更でしょ」
その言葉を貰い
抱上げられた仔はポロポロと涙を流し
神に寄り添います。
そんな仔を愛しそうに撫でながら神は
大通りを歩き進むのでした。
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