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結納の日。
ママと取っ組み合いの大喧嘩をして、ボロボロになった。
せっかくのハレの日だったのにと、ゆーくんが何度も謝ってくれた。
ママはどうしてああなんだろう。あたしの持つもの全てを欲しがる。
ママに奪われかけたピンクの石の指輪を、左手の薬指に着けて大学に通う。
ダイヤの婚約指輪はあまりにもまばゆくて、ちょっと悪目立ちするから。
若菜ちゃんは気にしないでつければいいのにって、笑っていたけど。
「あ……」
ばったりトイレで英里たちと顔を合わせたりするから、あんまり刺激するようなこともしたくない。
って、気を使っていたのに。
前よりもっと憎悪の込められた目で睨み付けられてしまった。
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