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弁当が充分に冷めているのを確認して、それぞれ蓋をして包む。
青とピンクの弁当の袋は、合計四つ。
「ぱぱー、“たまごちゃん”はいってる?きょおは、おべんとうのひでしょー?」
小さな口いっぱいにオニギリを頬張りながら、娘が愛らしく問う。
うずらの玉子にゴマなどで目鼻を付けただけのもの。ほんの少しの工夫で、残さず弁当を食べてくれるのだから可愛いものだ。
「ちゃんと入ってたよ。ほら、二人ともそろそろ時間だ」
「ままーっ、ままー!じかんだってぇ」
牛乳を飲み終えた息子が、洗面所の方に声をかけた。
「うそっ!もうそんな時間?ゆーくん、ゆーくんっ!」
昔と変わらぬ呼び方で僕を呼ぶ、愛しい妻。全ての手を止めて彼女の元へと向かった。
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